フィッシングラインの科学(2):ナイロンライン
釣り糸の科学第1回は、↓ http://gt-exor.blogspot.com/2008/10/blog-post.html 釣り糸(フィッシングライン)に対しての小考2 ナイロン(Nylon)ライン 昔、高校時代の化学時間へちょっと戻って行きましょう。分子だ原子だ言いながら脂肪族化合物、芳香族化合物と言う名称がかすかにでも覚えていますか。 もちろんベテラン釣り人ならその時も釣りに一生懸命だったはずなのでもう頭の中から消えた知識で、また今の口凌ぎにも関係のない限り元から必要じゃない知識だが、フィッシングラインの原料を説明するには少し取り出してみることにします。 一応、ある大きな分子の塊(もちろん電子顕微鏡じゃない限り見えません)をポリマー(Polymer、高分子または重合体)と呼ぶが、分子達がランダムに連結されているんじゃなくて程よく一例に長く連結されているのを「 繊維 」と言います。 自然界には天然的に一例になっている繊維達(木綿、麻、毛、絹など)があって人間の着物や生活用品として重要に使えています。 20世紀になって人間は実験室で化学的に繊維を作り出しますが、これが「合成繊維」です。合成繊維が発明されなかったら現在のような素晴らしいフィッシングラインは存在しないんです。なので何十㎏の巨大魚を釣り上げる事は夢にしかできない事、釣りと言う趣味も今のように発展されなかったと思います。構成繊維の無かったら何処行っても大物がうようよ泳いでいる釣り天国、自然保護は確実だったでしょう。 *人類最初の完全な人工繊維のナイロン 人工的に繊維、特にシルクを作ろうとする熱望は19世紀の末、鋸屑のような木材やパルプからセルローズ(Cellulose、繊維素)を取り出して再生繊維(レイヨン)とか半合成繊維(アセテート)のような「人絹」を開発します。続いて石油化学工業から供給できる原料を使って完全な人工繊維を発明してしまいます。 フランス革命を避けてフランスからアメリカに移転したデュポン(Dupont)は火薬とダイナマイトの製造と販売でお金を稼ぎでいました。デュポンはもっと人間的な新しい科学分野の開発のため基金を準備して研究責任者に「ウォリス・キャロダス(W.Carothers)」を任命します。彼の研究陣は10年間の研究の後、1937年に人類最初の完全な合成繊維のポリアミド...